演説 〜性器の夢〜
婚約者が性器を舐めさせてくれないのであります。

彼女は幼い頃に悲惨な性体験を送っていたようで、

悲惨な性体験を送っている女性というものは、

得てして、自分の性器を男性に舐めさせないものであります。

私は、彼女の性器が舐めたくて舐めたくて仕方ないのですが、

彼女にも辛いことがあるだろうと、それを我慢しているのであります。

そうしていたら、昨晩、とうとう私の無意識が限界を迎えたのか、

夢の中で、夢の中で大きな性器に包まれる夢を見たのであります。

大きな性器に包まれる私は、その壁をぺろぺろぺろぺろと舐めて、

脱出を図るのであります。

そいつをぺろぺろぺろぺろと。

私の舌で舐められた性器は段々と溶けていって穴が空きそうになりますが、

他の、性器のひだひだの部分が私のことを包むので、

私はなかなかすぐに出られませんでした。

私は、懸命に性器からの脱出を試みますが、それも叶わず、

私は女性器の奥へと引きずり込まれる。

というところで目が覚めたのであります。

私は、まずい。こんな風に毎晩毎晩性器に包まれて、

ぺろぺろぺろぺろして脱出を図るも、

結局は中に吸い込まれて行くという夢を見ていては、

幸せを傍受するどころか、尋常な心さえも持てないのであります。

存外にも、生殖器の中に包まれているのは恐ろしいものであって、

毎朝不安な心持ちで目覚めることになるのです。

意を決して、私は婚約者に言ったのであります。

「 そろそろ性器を舐めさせてくれないか。」

彼女は当然のように断り、結局私は、明日からも性器に包まれる夢を見るのであります。


夜になり 性欲が増す私 朝になり 性欲が増す私

夏ともなれば 若さも爆発 秋ともなれば 全身がおっ勃つ


性欲の化身 性欲のケモノになる私


私の生活の不安をといておくれ

けれども 虚勢手術はお金がかかる

若い私には払いきれない 巨額の代償