いも農園に来たよ
じいさんが鍬持って収穫の時期に まるまる太ったいもを掘っている
いもなんて一個何十円にもならなくて じいさんすぐに知人にいもをあげてしまう
いもなんて作ってたら一生金持ちに なれるわけないよ
そういうこともふまえて じいさんはいもを掘る
秋になれば 田んぼに麦を植える 米のかわりに麦を植える農家の人々
二毛作という 江戸時代に発明された 田んぼをうまく使うコツ
いも掘るじいさんと 麦刈るばあさんが 毎日毎日 日の下で腰を曲げてる間に
孫は都会でプレイステーションをしていて その晩 ママが作ったいも ポテトサラダを食べる
孫が大きくなって結婚したら 田舎へ行ってお嫁さんを紹介した
「きみも、ばあちゃんの作ったいもを食べなよ。」
「えっ、わたし。そんな泥まみれのいも食べられないわ。」
「何言ってんだ。これおいしいんだぞ。」
「やだ、そんな田舎のいも。」
わがままな孫の嫁は 田舎暮らしが嫌いだ
すぐに「コンビニ無いの?」と
「空調つけてよ。」「レストランに行きたいわ。」 などと言う始末
ばあちゃんが いものにっころがしを作っても
「こんな田舎のもん、食べられるか。」と言って ばあちゃんを愚弄する
ばあちゃんは そんなこと気にも止めないけど 孫は嫁を叱った
幼少の頃 プレイステーションばかりやっていたどうしようもない孫だったけど
人の心あるよ
嫁はそれでも懲りる気配もなくて ばあちゃんにむかって
「この、田舎の熊が。」 と暴言を吐いた
孫はそれを聞いて 「こんな奴と結婚するのはやめよう。」と言った
結婚破棄したけど ばあちゃんは少しうれしい気持ちだっただろう
新しいお嫁さんは きっといもの味がわかるだろう