夜にたくさんの星たちは

時は早く過ぎるものだと
過ぎた後で誰もが言う

夜にたくさんの星たちは
地上に降り立ち姿を変えて
おしゃべりをしていたのよ
昔の話なんだけれど

朝のニュースを見ているのよ
一人部屋でテレビが言う

容疑者は昨日もテレビで
カメラに微笑んでた
だけどその顔を消したら
いつも通り出かける

朝日に始まるピアノのリズム
何かを感じて一緒に唄えたらいいな

車が通りすぎる音と
ピアノとベースとドラムの舞台
昨日見た星たちは
静かに夜を待ち続ける

いつもはただそこにいるだけ
人とつながりたいとだけ

多分寂しいということは
単純なんだろうと
だから明日久しぶりに
この星にあつまろう

待ち焦がれた夜がついに来たと
星たちはいつもよりもはしゃいでしまった

真夜中揃って海の中
収まらずに笑って騒ぐから
魚たちはおいそらと
起きだしてはぐるぐる泳ぐ

夜にたくさんの星たちは
地上に降り立ち遊び疲れて
いつかまた降りようと
約束をして空に帰り